アジアとヨーロッパの境に位置するエカテリンブルグはウラル地方スヴェルドロフスク州の首都として知られています。1723年成立した当市の人口は現在百五十万人で、工業、科学、教育、交通、経済の各分野で急速に発展しているロシアの都市の一つです。また、欧亜の境というユニークな場所を生かし、コルツォバ空港ではロシアの国際航空網を担う重要な拠点の一つとして、毎日百を超える空の便が運行されています。工業は経済の重要な位置を占め、一万二千社以上の中小企業が活動している当市では百軒を超える工場が稼働しています。市内で製造された工業生品は百カ国以上に輸出される一方、当市はロシアの重要な卸売市場の一つとしても知られています。市内では宿泊業の発展もめざましく、百二十軒を超える宿泊施設が立ち並び、Accor, Hyatt, Radisson, Vienna Houseといった国際的なホテルチェーンも運営されています。また、二百軒を超えるレストランと五百軒を超えるカフェが営業しています。更に2010年以降、毎年それぞれ百万平方メートル以上の居住区間と商業区間が増設され、モスクワやサンクトペテルブルクと比べると商業区間のアクセスは容易なものとなっております。

ロシア科学アカデミー・ウラル支部の拠点があり、また三十九の教育機関において十五万人ものの学生が在籍しているエカテリンブルクは科学の分野でも大きな発展の可能性を持った都市です。当市はウラル地方における日本語・日本文化教育においてもリーダー的な役目を果たしており、今年はウラル連邦大学の東洋学科が開設二十周年を迎え、またNPO «ウラル日露協会»も積極的な活動を行なっています。更に在露日本大使館とスヴェルドロフスク州政府の支援のもと、毎年日本文化に関係するフェスティバルや、弓道、剣道、柔道といったスポーツ大会が開催されております。それから、Japan Russia Youth Exchange Centerとの協力のもと交換留学も行われております。

国際文化都市としても知られるエカテリンブルグには六百以上ものモニュメントが設置され、劇場が二十二箇所に、コンサートホールが二館、美術・博物・歴史館が五十館、アートギャラリーと展示場が三十五箇所に、そして動物園とサーカスが一つずつあります。エカテリンブルグの豊かな歴史、ユニークな建築物やモミュメント、壮大なウラルの自然は世界中からの旅行者を魅了します。特に当市の博物館のコレクションは興味深いもので、その中には一万一千年前にも作られたという世界最古の木製彫刻「シギルの偶像」や世界で唯一の鋳鉄製建築物としてユネスコにも登録されている「カスリ・キャストアイロン・パビリオン」があります。当市は百四十ものアヴァンギャルド建築が並ぶ世界唯一の都市としても知られております。また市内には二十八もの在外公館が置かれ、この数はモスクワとサンクトペテルブルクに次いで三番目です。当市は百三十カ国とも活発な経済関係を持っており、17都市と経済パートナーシップ、2都市と姉妹都市の提携がされております。さらに当市は2003年以降大規模な国内又は国際的イベントの会場となっており、2017年のパートナー国が日本であった国際工業展覧会「INNOPROM」と「100+FORUM Russia」が毎年開催されています。2018年には日本・セネガル戦を含めたサッカー・ワールドカップの試合の会場ともなりました 。その時期に弓道のセミナーとトーナメントも行われ、高円宮妃久子さまも開会式に立ち会いました。当市は世界博覧会「EXPO2025」の開催候補地としても立候補し、大阪についでの次点となりました。2019年には国際産業会議「GMIS」を主宰し、その年の10月31日には国連ハビタット主催の世界都市デーにも参加しました。さらに2023年にはユニバーシアードが開催される予定です。


